マザーチンクチャーとは
①マザーチンクチャーって何?
マザーチンクチャーはホメオパシーレメディーを作る際にその母液となるエッセンス。重量換算で、元物質1に対してアルコール9の割合で抽出された抽出液のことを意味します。水溶性元物質の全てのレメディーはマザーチンクチャーが母液( 最初の元となる原液)となるため、マザーチンクチャーは植物、水溶性鉱物など様々なものが含まれます。ただマザーチンクチャー(原液)として服用できるものは、植物(薬草・ハーブ)から抽出されたチンクチャーのみのため、一般的に呼ばれるマザーチンクチャーは薬草をアルコールに漬け込み、有効成分を抽出したハーブチンキを意味します。
ホメオパシーで利用されているマザーチンクチャーは「Ø」というポーテンシー(希釈・振盪率)となり、これはホメオパシーの発祥の地であるドイツ、そのドイツ語の「Infusion:抽出液」と「ゼロ」という語源から来ています。ホメオパシーのレメディーは希釈・振盪を行なっていくことでポーテンシーが上がるため、マザーチンクチャーは希釈・振盪が全くされていない母液、ポーテンシー「0 /ゼロ」を指します。
上記で説明したよう、元物質1に対してアルコール9の割合で抽出したマザーチンクチャーは希釈率「0」で、その表記はポーテンシー「Ø」、それから一段階あがった1Xのポーテンシーはそのマザーチンクチャーから1滴を取り、9滴のアルコールで薄め振盪させたもの。さらに2Xは1Xのチンクチャーからまた1滴とり、それを9滴で薄め再度振盪したものとなっていきます(図1)。
ホメオパシーでは希釈・振盪が上がることによってエネルギー的強さが変わってくると考え、ポーテンシーはその一概的な強さを表す単位。ただポーテンシーが高いことが単に強さを表すのではなく、働きかける部位が変わってくるという理解です。
②ポーテンシーとは?
レメディーを選ぶ際、ポーテンシーをどう選ぶのが良くわからない方も多いかと思います。ポーテンシーはホメオパシーレメディーの希釈・振盪率を表す単位。ポーテンシーが上がることで、物質の含有量は減り薄まった状態になっていきますが、エネルギー的にはより活性化、つまり強くなっていくと考えます。
ホメオパシーでは身体はバイタルフォース(つまり生命エネルギー)をもち、この世に存在する全ての構成物質を見ると原子一つ一つから振動しているように、私たちはそれぞれの細胞・臓器、さらに心体・スピリットを含め、エネルギー、つまり波長を持っていると考えます。そのそれぞれの波長に合わせて、レメディーを入れていくことで心身に気づきを与え、体自らそのバランスを整えていくよう働きかけていきます。
ホメオパシー的には目に見え・触れることのできる肉体(例:エーテル体)、つまり臓器・代謝系統は低い波長を成しており、逆に目に見えない感情等(例:アストラル体)は高い波長、さらに高次の霊的感性(例:コーザル体)はさらに高い波長で構成されていると定義します。ポーテンシーはエネルギー的高さ(波長の高さ)を示すため、臓器や代謝系統に働きかけたいときは、マザーチンクチャーやXなどの低いポーテンシー、慢性的な肉体疾患には少し高いCポーテンシーの6c(またはLM)。風邪や怪我等の急性病は体が強く症状を出している状態でエネルギー的に慢性病より高いため30cが一般的に使用されます。さらに感情的な目に見えないレイヤー(層)に働きかけたい時は200c、過去のトラウマや傷など現在のエネルギー状態ではなく、さらに高い次元のエネルギーには1Mを使用していきます(図2)。
※これらはあくまでも一概であり、ポーテンシーの選択はケース、またホメオパスにより大きく変わってまいります。複雑なケースはホメオパスにご相談されることをお勧めいたします。
ポーテンシー「X」は先に説明したよう10分の一を基準として希釈されている単位、「C」は「Century /センチュリー」、つまり100という意味で、100分の一を基準として希釈、「M」はさらに上の1000分一を基準として希釈されています。つまり、マザーチンクチャーを10分の一希釈したものが1X、100分の一希釈した場合は1cとなります。
ミニノート
日本やインドではマザーチンクチャーはヨーロッパで定義されている「Ø」の母液からさらに10分の一に薄められた1Xが一般的にマザーチンクチャーと呼ばれ普及しています。ただマザーチンクチャーは本来希釈されていない「Ø = 0」であり、ヨーロッパのホメオパシーファーマコピア(ホメオパシー薬局方)ではマザーチンクチャーは1Xではなく、元物質からの抽出液「Ø」として定義されています。その定説が正しいことを示す説明として、もしマザーチンクチャー(母液)が1X(1/10希釈した溶液)の場合、それを100分の一希釈した「C」ポーテンシーは、希釈率が「1/10 x 1/100 = 1/1000」の1000分の一となってしまい、本来100分の一希釈のはずの「C」ポーテンシーに対する辻褄が合わなくなってしまいます。
③ベセスダのマザーチンクチャー
ベセスダホメオパシーで販売しているマザーチンクチャーはイギリスの農場にて、オーガニック及び、バイオダイナミック農法によって育った植物達を新鮮なうちにアルコールに漬け込んだマザーチンクチャー。ヨーロッパのホメオパシー薬局の規格(German Homoeopathic Pharmacopoeia)に準じた植物を抽出した、薄められていないそのままのチンクチャー。1Xのアルコールチンクチャー(本来のマザーチンクチャーを10分の1希釈したもの)ではなく、創始者ハーネマンより伝わるヨーロッパのホメオパシー薬局方に忠実に従い、製造されたマザーチンクチャーです。
マザーチンクチャーとハーブチンキは同じ?
ホメオパシーのマザーチンクチャーは一般的に出回っている乾燥されたハーブから抽出されているハーブチンキとは異なり生きたままの植物(フレッシュ)を使用することで、乾燥する過程で失われてしまう揮発性有効成分、芳香性有効成分、ビタミン等を残すことが可能。エネルギー的にもバイタルフォースが高い(生命力がある)状態で抽出することにより、植物のパワーを最大限に生かした植物抽出液です。植物の恵がギュウッと濃縮されたパワフルなチンキは、体に滋養と栄養、そしてエネルギーを与えてくれる素晴らしいナナチュラルトニックです。
④バイオダイナミック農法とは?
バイオダイナミック農法とは、ドイツのルドルフ・シュタイナーが提唱した有機農法(オーガニック栽培)の1つ。イギリス、ドイツやフランスなどで普及しており、オーガニック農法を一歩超えたより自然のエネルギーと調和した有機農法として知られています。
バイオダイナミック農法は単に農薬や化学肥料を使わないだけでなく、ミネラル・ハーブなどの調合剤を栽培に使用。また宇宙(星座・惑星・太陽・月など)からはそれぞれ異なったエレメント(熱・光・水・土)に影響を及ぼす力が注がれているという考えかたより、月の満ち欠けや天体の動きに合わせて種蒔きや収穫を行い地球と植物のリズムを考えて栽培していく農業方法です。
通常の有機農産物より高品質で、高い生命力を持ち、海外では有機農法の最高峰と認知されています。